ドリアンってホントにそんなに臭いの?
本サイトのキャラはずばりドリアン。
「ダバドリアン」が正式名称だが、普段は「ドリドリ」と呼んでいる。
まぁ、そんなことはどうでもいいが、キャラにまで採用しているドリアンを取り上げないことには話にならないので、今日はそのドリアンのお話です。
ドリアンと言えば一般的には「フルーツの王様」だの「臭いがうまい」だのいろいろ言われているが、日本ではなかなかお目にかかることはないと思う。
筆者は以前、一度だけドリアンを試す機会があった。
これがうわさのドリアンかと、黄色というか黄緑というか微妙な色合いのトゲトゲを数人で囲んで、ナイフが入れられるのを見守った。
ホントに一瞬、サクッとナイフの刃が入っただけの一瞬なのに、
「ん?」
「え?」
という戸惑いのそのすぐあとに、
「くっさーーー」
「う、うんこじゃんーー」
という声とともにドリアンを囲む輪が一気に広がり、ナイフをいれた張本人も慌てふためいて、皿ごともってキッチンの奥へ引っ込んでしまった。
「うんこに似た匂い」というのは聞いていた。
しかしである、あれは似た匂いどころじゃない。
うんこそのものだった。
(ずいぶん昔のことで、たぶんおおげさな記憶に置き換わってる可能性は否定できないので、違っていたらごめんなさい)
− 匂いを我慢して食べたら、その味の虜になる。
− 一度食べれば匂いなんか気にならなくなる。
いろいろ言われたが、とうとうあの匂いの向こうにたどり着くことはできなかった。
つまりせっかくの機会だったにもかかわらず、このときは匂いを嗅いだだけで結局食べずじまいに終わってしまったのです。
避けては通れないフルーツ天国の誘い
ダバオに限らず、フィリピンにはフルーツ天国という側面がある。
ダバオのあちらこちらにあるマーケットには、「必ずと言っていいほど」ではなく、「必ず」ドリアンを筆頭に見たこともないようなフルーツが色とりどりに並んでいる。
はじめてダバオを訪れて、まだドリアンを食べたことがないと言おうものなら、まず間違いなく「よし、それじゃあ」と市場に連れて行かれることになる。
もしそんな機会が訪れたら、尻込みをせずに貴重な旅の体験として進んでトライしてみることをおすすめする。
私たちが行ったのはチャイナタウンの入口の反対側、ラモン・マグセイセイ・パークに隣接する小さなストリートマーケット。
てっきりうんこの匂いを覚悟していたが、どこからもそんな匂いは漂ってこない。殻のまま並んでるだけだからだろう思ったが、ふと見てみると軒先のテーブルで食べている人がちらほら見える。
「あれ?うんこの匂いは?」
なにやら独特の匂いはするもののうんこには程遠い。
ダバオのドリアンはうんこの匂いじゃないのか?
「熟成というか、日本に届く頃には熟れすぎてそんな匂いになっちゃうんじゃないの?」とは、現地の知人の言葉だが真偽の程はよくわからない。
「ホントにうんこの匂いなんかするなら誰も食べないよwww」と笑って信じようとしない。
ホントなのになぁ。
理由はイマイチわからないが、とにかくダバオではうんこの匂いのドリアンには一度も出会ったことはない。
ただ、独特の匂いはする。
例えようがないのでお伝えできないが、それが好きか嫌いかは人それぞれ。ハッキリしてるのはうんこに比べればなんてことはない。
では味はどうか?
いよいよ初ドリアンである。
大きさによって値段は違うが、だいたいキロあたり200〜250php(日本円で400〜500円)だから、標準的な大きさ(2キロ〜2.5キロ)のもので1,000〜1,500円くらい。
日本だと、安くても5,000円はくだらないのでそこそこお値打ちに試すことができる。
お店の人におすすめを聞いてお金を払うと、カラを割って(切って?)店先のテーブルに並べてくれる。見た目はクリーミーというか、カマンベールチーズのトロトロ部分のような感じ。
手で取ってクチに運んでみる。
「うまい!」
という感じではない。
「ふむふむ」
フルーツとしては見たこともない見た目とはじめての匂いに、こわごわ手を伸ばすものだから警戒心の方が強い。
「うまいのか?」
「いけるのか?」
濃厚でクリーミーとしか言いようがないが、ねっとりとした食感が圧倒的で味の感想が出てこない。
思ったより抵抗なく食べられるが、もういいかな、というのが素直な感想。個人的には「フルーツの王様」の位置にはつかせてあげられないな。
ドリアンシェイクは飲んだその後に注意
ちなみにその後、とあるお店で「ドリアンシェイク」なるものを飲んでみた。
直接ドリアンを食べるのと違い、そんなに匂いも気にならないし、甘くて美味しいので、見た目以上にたっぷりはいっているシェイクを全部飲み干したところ、その後が大変なことになった。
一日中どころか次の日になっても、軽いげっぷが続き、その都度ドリアン臭がクチからあふれてきてたっぷり後悔することになった。
もし「ドリアンシェイク」を見かけたら、美味しいからと言って飲みすぎないよう気をつけてください。
マランはグロテスクだけど、ホントにうまい!
マーケットにはドリアン以外にもさまざまなフルーツが並んでいるが、その中にひとつ見慣れないものがあった。
それがMarang(現地ではマランとかマーランとか発音してました)。
調べてみたけど日本では売ってないかもしれない。
これは匂いはないけど、切ってみるとかなりグロテスクで手を出すのに勇気がいる。
ただし、ドリアンが人によって好き嫌いが分かれるのと違い、こっちは食べてみれば誰もが「おいしい!」で一致する。
甘くておいしいマラン。見かけたら、ぜひどうぞ。